100ギニートロフィー とは、後のアメリカズカップとなった銀杯のことです。1851年8月22日に英国でおこなわれたヨットレースに勝利したアメリカ号。つまり、このレースに勝利して、米国に持ち帰った栄光のカップです。
アメリカアメリカ号の勝利はアメリカズカップを巡る英米の技術と国威争いの構図となりました。はじめに、アメリカに渡った100ギニートロフィーは、ヨットオーナー達の家に飾られました。一方、鋳つぶしてレース記念のメダルにしようという話もありましたが実現しませんでした。
5人のヨットオーナーの家を一巡した後、一定の条件を記載した贈与証書を付けました。最後に、彼らは、この贈与証書を付けたトロフィーをNYYCに送りました。NYYCとは、ニューヨーク・ヨットクラブのことです。
NYYCに贈った贈与証書が付いたトロフィーを、アメリカズカップと呼びます。その贈与証書に書かれた精神が、ヨットクラブ間の自主的なレースを規定しています。5人のヨットオーナーが署名した贈与証書は、ヨットマン精神が記載されています。
贈与証書の内容
はじめに、贈与証書に記載された内容は、以下の通りでした。
Deed of Gift
- 外国のどんなヨットクラブも、このカップを賭けたマッチに挑戦することができる。
- カップは、ヨットクラブに帰属しメンバー或いはヨットオーナーの所有とはならない。
- カップは、常に外国のクラブにオープンにされる。
以上の条件は、永久にカップに付帯し、友好的なレースに寄与する。
はじめに、NYYCは、贈与証書の精神にのっとり、1857年当時の海洋国、5か国の18クラブに贈与証書の写しを送りました。ここで、海洋国とは、大英帝国(イングランド、アイルランド、スコットランド)、ベルギー、オランダ、ロシア、カナダのヨットクラブでした。
ここから、壮大な アメリカズカップ の物語が始まりまるのです。